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2022.09.15

資産活用通信2022年9月号「忘れていませんか?不動産の相続登記 ~ 令和6年4月から登記が義務化! ~」

 

所有者不明土地はなぜ発生するのか?

相続によって土地を取得した場合、相続に係る所有権移転登記(相続登記)がされないままになっていることがよくあります。相続登記がされないまま相続が繰り返され、先祖代々の土地や実家の名義が昔に亡くなった人のままといったことは珍しくありません。

そこで、所有者不明土地の発生予防と利用の円滑化を目的に、民法等の改正が行われ、不動産登記制度や長期間経過後の遺産分割のルールの見直しなどが、令和5年4月から順次、施行されます。

相続登記、住所等の変更登記を罰則付きで義務化

相続登記や住所等の変更登記がされない要因の1つに、登記が任意であることが指摘されていました。

所有権不明土地の発生予防を目的に、相続登記は令和6年4月1日から、住所等の変更登記は令和8年 4月27日までの政令で定める日から義務化されることになりました。

施行日以前に発生した相続等についても義務化の対象となるため注意が必要です。また、正当な理由なく相続登記等をしなかった場合、相続登記は10万円以下、住所等の変更登記は5万円以下の過料が科せられます。

(1) 相続登記の義務化

相続(遺言を含む)によって不動産を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記をしなければなりません。

また、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に遺産分割が成立しなかった場合、法定相続分での相続登記を行い、その後に遺産分割登記をすることになります。3年以内に遺産分割が成立した場合は、3年以内に法定相続分での相続登記または遺産分割登記のいずれかになります。

(2) 住所等の変更登記の義務化

登記簿上の所有者は、住所や氏名を変更した場合、変更した日から2年以内に住所等の変更登記をしなければなりません。

相続登記をより簡易に!「相続人申告登記」の創設

現行の制度のまま相続登記等を義務付けると、相続登記の期限内に遺産分割がまとまらない場合、まず期限内に相続登記を行い、遺産分割が成立した後に、改めて遺産分割登記をしなければなりません。そうした申請手続きの負担軽減を図るため、新たに「相続人申告登記」が創設され、令和6年4月1日から施行されます。

この制度では、相続人が、登記簿上の所有者に相続が発生したこと、自身が法定相続人であることを法務局(登記官)に申し出ることで、相続登記の申請義務を履行したとみなされます。

相続人申告登記は、申出をした相続人の氏名・住所等が登記されますが、持分割合までは登記されません。自身が相続人であることがわかる戸籍謄本等の提出が必要です。

また、1人の相続人が相続人全員分をまとめて申出をすることも可能です。

遺産分割の長期未了状態の解消に向けた新たなルールの導入

相続が発生してから、遺産分割がされないまま長期間放置されるうちに、相続が繰り返されて多数の相続人による遺産共有状態となると、遺産の管理や処分が困難になります。

この問題を解消するため、相続開始から10年経過後に行う遺産分割は、原則として、法定相続分または指定相続分によって画一的に行うこととされました。この制度は、令和5年4月1日から施行されます。

また、施行日前に開始した相続についても適用されるため注意が必要です。

出典:TKC事務所通信

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