2024.07.15
資産活用通信2024年7月号「2024年7月3日からお札が変わりました!~ 肖像画は北里・津田・渋沢の3人に ~」
20年ぶりのデザイン刷新! 新紙幣発行の理由
(1) 紙幣を新しくする理由の1つは「偽造防止」。最新技術を取り入れ、お札を偽造しにくくするのです。今回の目玉は3Dホログラム。お札を左右に傾けると、中に描かれた肖像画の顔の向きが変わる等の変化が表れます。他にも、紫外線を当てると表面の印章等が光るなどの対策が施されています。
(2) 今回の紙幣では、ユニバーサルデザインが採用されました。例えば、インキを高く盛り上げる「深凹版印刷」によってつくられる識別マークは紙幣の種類ごとに位置が違い、触っただけで種類が分かるようになっています。また、アラビア数字を大きく見せ、外国人観光客等にも額面が分かりやすいデザインとなります。
(3) 新紙幣の発行には「タンス預金」対策の意味もあると言われています。国内のタンス預金は50兆円を超えると推計されています。日本銀行によると令和5年は本支店で受け入れた紙幣が例年より増えたとのこと。昨今のインフレ傾向もあってか、新紙幣発行前にタンス預金が還流している可能性があるかもしれません。
お札の 「ニューフェイス」 はこの3人!
千円札は北里柴三郎、五千円札は津田梅子、一万円札は渋沢栄一が肖像画になります。
▪ 北里 柴三郎(1853~1931)
ペスト菌の発見などで活躍した細菌学者・教育者です。医学生時代に定めた目標は予防医学に取り組むこと。その言葉の通り、生涯を通じて伝染病の予防と研究に情熱を燃やしました。
▪ 津田 梅子(1864~1929)
日本初の女子留学生の1人として、明治4 (1871)年、岩倉使節団と共に6歳でアメリカへ。通算14年間アメリカで学び、帰国後、日本女性の高等教育の発展に尽力しました。
▪ 渋沢 栄一(1840~1931)
約500の企業の設立・運営に携わった「近代日本資本主義の父」です。実業家として活躍する一方で社会貢献活動にも尽力し、病院や学校など約600 の社会事業に関わりました。
出典:TKC事務所通信
『何事も自分で研究してご覧なさい』 津田梅子 (津田塾大学創立者)
アメリカ留学経験を踏まえ、日本女性の高等教育と地位向上に生涯を捧げた津田梅子。新五千円札の肖像。明治36 (1903)年発行の書籍に収録されたこの言葉の後には、「研究して見て自分で難問を解釋(かいし)するようになさい」と続く。依存心を排し、自分が主になって成すとの「自主独立の心」の重要性を説いている。
出典:「女学生の栞」博文館
渋沢の理念を現代にどう生かすか 日本ハムファイターズCBO 栗山 英樹氏
「渋沢さんの書『論語と算盤』には大切な本質が記されている。チームが最下位でたたかれた時など、 がんばらないといけない場面に必要になる。僕にとってすごく大きな本だ。」
「人としてきちんと成長していけば、野球がうまくなる。考える幅を広げてもらうため、選手に手引きの一つとして渡してきた。」
「プロ野球ではチームが最下位でも、自分の成績が良ければ報酬は上がる。しかし自分のことだけ考えてはだめだと伝えるのに、『論語と算盤』はぴったりだ。渋沢さんの力を借りて、まっすぐに生きることを伝えたい。」
——「相反するように思われる『道徳と経済』の両方を求めてこそ、事業は長続きする」という渋沢の思想は、野球界にどう生かせるだろうか。
出典:日本経済新聞「超・渋沢論」