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2023.09.26

住宅取得資金贈与

はじめに

住宅の購入には多額の資金が必要となるため、ご両親からの援助を検討している方もいらっしゃるかもしれません。

通常、親から贈与を受ければ、その贈与を受けた財産には贈与税がかります。

しかし、住宅の購入資金の贈与については、一定の条件を満たせばその贈与が非課税になる「住宅取得等資金非課税の非課税特例」があります。

なお、この税制優遇措置は2023年12月31日までとなっています。

 

住宅取得資金贈与の概要

令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」といいます)を取得した場合に、一定の要件を満たすときには、下記の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となる制度です。

取得する住宅の種類により非課税となる限度額が異なります。

  

 

受贈者等の要件

本制度の適用を受けるための受贈者等の主な要件は以下となります。

① 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属(贈与者は受贈者の直系尊属)であること

② 贈与年の1月1日において、18歳以上であること

③ 贈与年の合計所得金額が2,000万円以下(住宅用の家屋の床面積が40㎡以上50㎡未満である場合は1,000万円以下)であること

④ 平成21年分から令和3年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受けたことがないこと

⑤ 贈与時に日本国内に住所を有し、かつ、日本国籍を有していること(この要件に該当しない場合であっても対象となる場合があります)

⑥ 自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある人からの取得や新築若しくは増改築等をしたものではないこと

⑦ 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、住宅取得資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること

⑧ 贈与年の翌年の3月15日までにその家屋に居住すること。又は、同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること

 

確定申告が必要 ※出し忘れたら適用なし!!

本制度の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与税の申告が必要となります。

本制度が適用され、贈与税が0円になるからといって申告が不要なわけではありません。

期限内に申告をしないと非課税の適用が受けられず、多額の贈与税を納付する必要が発生してしましますので、期限内に申告を忘れずに済ましましょう。

 

夫婦でそれぞれ適用を受ければ非課税枠は倍になる

住宅取得資金等の贈与税の非課税制度は、夫婦それぞれで利用することが出来ます。

夫がその親から1,000万円、妻がその親から1,000万円の贈与を受ければ、最大で2,000万円の住宅取得資金を非課税で用意できます。

ただし、それぞれで利用するためには、住宅を共有名義にする必要があります。住宅取得資金を支払った割合で不動産の持分を登記することとなります。

 

暦年贈与および相続時精算課税制度との併用

この制度は、暦年課税の贈与税の110万円の基礎控除や相続時精算課税の特例(特別控除2,500万円)と併用して適用が可能です。

本制度における非課税限度額が1,000万円であったとした場合には、暦年課税の贈与税と併用した場合には1,110万円まで、相続時精算課税の特例と併用した場合には3,500万円まで贈与税がかからないこととなります。

 

適用を受けない方が後々有利となる場合も…

親の住んでいた自宅の土地を相続した場合には、「小規模宅地等の特例」を受けられることがあります。小規模宅地等の特例は、要件を満たす子がその土地を相続すれば、相続税を計算するための土地の評価額が最大で8割減額となる制度です。

ただし、「小規模宅地等の特例」は、相続人となる子が自宅を所有して親と別居しているときは、その適用を受けられません。

相続により親の自宅を子に相続させる予定である場合においてその子が同居している、あるいは親に配偶者がおらず子は賃貸住宅に居住している。このような場合は、子に住宅取得資金を贈与して独立するより、相続発生後に実家を相続し、小規模宅地等の特例の適用を受けた方が税額の面で有利になるかもしれません。

 

おわりに

住宅の購入はその人の一生のうち最も高価な買い物のひとつです。それに伴い発生する税額も高額となるため、節税についてしっかりお考えいただければと思います。

ベイヒルズ税理士法人では多様なサポートもおこなっております。お気軽にご相談ください。

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