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2021.12.28

教育資金贈与信託

教育資金贈与信託とは信託銀行等に子供や孫の教育資金を信託すると1,500万円まで贈与税が無税となる制度です。(生前贈与のメリットは前回ブログ参照
実は教育資金贈与信託を利用したからといって必ずしも節税効果が得られるわけでありません。教育資金贈与信託の概要とデメリットについてご説明します。

教育資金贈与信託とは

教育資金贈与信託とは子供や孫への教育資金を信託銀行等に預けて管理してもらうと1,500万円まで無税で贈与できる制度です。

教育資金贈与信託の対象

(1) 学校等に直接支払われるお金

入学金や授業料など、学校等に直接支払われるお金は、1,500万円まで無税です。超えた分の支払いについては贈与税が取られます。

1,500万円まで無税となる教育資金の具体例:

・保育料、入園料、入学金、授業料、受験料
・ランドセル、教科書、制服、上履き
・給食費、スクールバス代、遠足費、修学旅行費

(2) 学校等以外に支払われるお金

学習塾やスポーツ教室の月謝など、学校等以外に支払われるお金は教育資金として認められ、500万円まで無税です。超えた分の支払いについては贈与税が取られます。

500万円まで無税となる教育資金の具体例:

・学習塾やスポーツ教室の月謝
・習い事に使用する物品
・習い事に通うための交通費

平成31年度の改正により、受贈者が23歳以上であれば習い事に使われるお金は対象外となりました。
改正は平成31年7月1日以降に支払ったお金に対して適用されます。既に教育資金贈与信託を始めている方に対しても適用されますので注意してください。

教育資金贈与信託の税制改正

(1) お申し込み期限が2年延長

令和5年3月31日までに教育資金贈与信託の申し込みをおこなえば、非課税枠を利用することができます。

(2) 在学中であれば40歳まで対象

受贈者が30歳になった時点で学校等に在学している場合、40歳まで期間を延長できることになりました。ただし、40歳になるまでに卒業した場合は、その年の年末で期間が終了します。

(3) 所得1,000万円以上の場合は対象外

受贈者の前年の合計所得金額が1,000万円を超える場合、教育資金贈与信託の非課税枠を利用することができなくなりました。

教育資金贈与信託のメリット

教育資金贈与信託を利用すると将来のための教育資金を一括で1,500万円まで無税で贈与できます。例えば、余命がわずかで、すぐに相続税対策を行う必要がある時には利用しても良いと思いますが、教育費の贈与にはもともと贈与税が課税されない(※)ため、あえて教育資金贈与信託を利用する必要はありません。

※贈与税がかからない教育費:学費や教材費、文具費など、通常必要と認められるもので、生活費や教育費の名目で贈与を受けても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかります。

教育資金贈与信託のデメリット

(1) 手続きが大変

信託銀行等からお金を引き出す際に領収証等が必要です。

(2) 判定が難しい

教育資金として認められるかどうかの判定が難しく、信託銀行等に引き出しの申請をしても認められない場合があり、信託銀行等からお金を引き出すには教育資金贈与信託に関する細かいルールをいちいち確認しなければならないのです。

(3) 使い切れない分は課税対象

子供や孫が30歳になるまでに教育資金贈与信託として預けたお金を使い切れなかった場合は、贈与税が課税されてしまいます。

 

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