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2024.05.15

資産活用通信2024年5月号「自筆証書遺言の保管制度」

 

遺言書には本人が自筆で作成する「自筆証書遺言」と、 全国約300ヵ所の公証役場で公証人によって作られる「公正証書遺言」、そして内容を秘密にしたまま公証人に遺言の存在を証明してもらう「秘密証書遺言」 の3種類があります。

自筆証書遺言の仕組みが大きく変化

このうち「自筆証書遺言」の仕組みがこの数年で大きく変化しました。自筆証書遺言は、煩雑な手続きが不要で気軽に作成できますが、これまで遺言書やそれに添付する財産目録については「全文手書き」が義務付けられていました。誤字や脱字はもちろん、読めない文字があっても無効とされるため、自筆で遺言書を書くのは煩わしいとされてきました。不動産や株式預金などの「財産目録」が長文になる場合、誤字や脱字といったミスも起きやすかったのです。

このため2019年1月から自筆証書遺言の作成方式が緩和されました。「財産目録」はワープロやパソコンでの作成が認められるようになりました。さらに預金通帳のコピーや不動産登記事項証明書などを添付して財産目録とすることが可能となり、遺言作成の負担が大幅に減りました。ワープロやパソコンの使用が認められたことで、家族が入力作業を代行してもよくなったわけです。できあがった財産目録や通帳コピーなどの添付書類には本人が署名捺印するだけで問題なしとなりました。

3,900円の手数料で半永久的に保管

そして2020年7月には法務局が自筆証書遺言を保管する制度がスタートしました。自筆証書遺言を法務局に預けられるようになりました。これまで自筆証書遺言は自宅の机や金庫などで保管するしかなく、第三者に改ざんされたり、紛失したりされたりするリスクが常につきまとっていました。しかし、保管制度が始まったことで、法務局が遺言の存在と内容の真正性を担保してくれるようになりました。

保管制度では、本人が作成した自筆証書遺言について、法務局がその原本とデータを半永久的に保管してくれます。被相続人の死後に、相続人が家庭裁判所で遺言書の検認手続きをする必要がなくなるというメリットも挙げられます。また、相続人のうち1人が閲覧した時点で他の相続人にも遺言書の存在についての通知がなされるため、特定の相続人しか遺言を読めないというトラブルも発生しません。

公正証書遺言では、公証人の立ち合いものと、遺言書を読み上げてハンコを押すことになります。財産の規模にもよりますが、費用は数十万円から、場合によっては100万円以上かかる場合もあります。その点、自筆証書遺言の保管にかかるコストは1通につき3,900円で、コストはその都度かかるものの、後からの変更も可能です。

自筆証書遺言の注意点

自筆証書遺言で争いになる多くのケースでは、遺言者本人が作成時点の自分の意思で書いたかどうかが問題となります。公正証書遺言は、公証人が本人確認と意思確認を行ったうえで作成されるため、意思能力の担保がなされますが、自筆証書遺言にはそれがありません。法務局が保管してくれといっても筆跡鑑定などをするわけでもありません。

本当に本人が書いた遺言書なのか、法務局職員は一切確認しないことを認識したうえで、利用を検討しましょう。

出典:納税通信

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