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~生命保険金の非課税~

2022.07.30

生命保険を活用して相続税を節税しよう
~生命保険金の非課税~

被相続人から現金や預貯金を相続した場合は額面どおりの相続税評価額となります。
しかし生命保険金には非課税枠があるため、被相続人が生前に生命保険に加入しておくことにより相続税額の節税にもつながります。

生命保険はみなし相続財産

相続財産とは、被相続人が亡くなった時点で所有していた財産をいいます。
生命保険金は被相続人が所有していた財産ではないため民法上の相続財産ではありませんが、相続税法上は生命保険金を相続財産とみなして相続税が課税されます。
これを「みなし相続財産」といいます。

 

生命保険金の非課税枠

生命保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」です。
被相続人の死亡によって取得した死亡保険金額からこの非課税枠を差し引いた額が相続税の課税対象となります。
たとえば法定相続人が1人なら500万円、2人なら1,000万円が非課税枠となり、これを超える部分に対して相続税が課税されます。
なお、相続人以外の人が取得した死亡保険金には、非課税の適用はありません。

(注1) 法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。
(注2) 法定相続人の中に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までとなります。

 

各相続人ごとの課税金額

各相続人一人一人に課税される金額は、次の算式によって計算した金額となります。

 

被保険者、保険料の負担者および保険金受取人と課税される税金の関係

死亡保険金の課税関係については次のとおりです。
被保険者が死亡し、保険金受取人が死亡保険金を受け取った場合には、被保険者、保険料の負担者および保険金受取人が誰であるかにより、所得税、相続税、贈与税のいずれかの課税の対象になります。

死亡保険金の課税関係の表

 

所得税が課税される場合

所得税が課税されるのは、上記「死亡保険金の課税関係の表」のように、保険料の負担者と保険金受取人とが同一人の場合です。この場合の死亡保険金は受取の方法により、一時所得または雑所得として課税されます。

(1) 死亡保険金を一時金で受領した場合

死亡保険金を一時金で受領した場合には、一時所得になります。
一時所得の金額は、その死亡保険金以外に他の一時所得がないとすれば、受け取った保険金の総額から既に払い込んだ保険料または掛金の額を差し引き、さらに一時所得の特別控除額50万円(50万円を差し引く前の金額が50万円より少ない場合は、その残額)を差し引いた金額です。
課税の対象になるのは、その金額をさらに2分の1にした金額です。

(2) 死亡保険金を年金で受領した場合

死亡保険金を年金で受領した場合には、公的年金等以外の雑所得になります。
雑所得の金額は、その年中に受け取った年金の額から、その金額に対応する払込保険料または掛金の額を差し引いた金額です。
なお、年金を受け取る際には、原則として所得税が源泉徴収されます。

 

相続税が課税される場合

相続税が課税されるのは、上記「死亡保険金の課税関係の表」のように、被保険者と保険料の負担者が同一人の場合です。
受取人が被保険者の相続人であるときは、相続により取得したものとみなされ、相続人以外の者が受取人であるときは遺贈により取得したものとみなされます。
また、死亡保険金を年金で受領する場合には、毎年支払を受ける年金(公的年金等以外の年金)に係る所得税については、年金支給初年は全額非課税、2年目以降は課税部分が階段状に増加していく方法により計算します。

 

贈与税が課税される場合

贈与税が課税されるのは、上記「死亡保険金の課税関係の表」のように、被保険者、保険料の負担者および保険金の受取人がすべて異なる場合です。
また、死亡保険金を年金で受領する場合には、上記相続税が課税される場合と同様、毎年支払を受ける年金(公的年金等以外の年金)に係る所得税については、年金支給初年は全額非課税、2年目以降は課税部分が階段状に増加していく方法により計算します。

 

生命保険を活用することによる節税以外の効果

受取人指定ができる

生命保険は保険金受取人を指定できます。遺産分割や遺留分の対象とはなりませんので相続発生後、遺産分割協議前に保険金を受け取ることが可能です。

 

相続放棄をしても受け取ることができる

生命保険は民法上の相続財産ではないので相続放棄をしても受け取ることができます。

 

相続対策に適した保険

生命保険には定期保険、養老保険、終身保険がありますが、定期保険や養老保険は一定期間が経過すると保障が終了してしまうため、相続対策には一生涯の保障が受けられる終身保険が最適であるといえるでしょう。

 

終わりに

生前に生命保険に加入しておくことにより、非課税枠を適用して上述の通り相続税を減額することができるだけでなく、万が一の際の生活資金や納税資金への備えを行うことができますが、被保険者、保険料の負担者、保険金受取人を誰にするかによっては非課税の適用を受けることができなくなってしまうため細心の注意が必要です。
ベイヒルズ税理士法人では、相続税申告を専門に行う税理士と専属のファイナンシャルプランナー(FP)が生命保険を活用した相続対策のご提案を行っております。
もちろん無理な勧誘は一切いたしませんので、どうぞお気軽にご相談ください。

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